どうせざわっとすんだろ?と思いながら触った。
一昨日の夜。
急に右の肩甲骨が痛んだ。
いや、骨じゃない。その付近の肉。
寝るときに、「右の肩甲骨痛いなあ」と思いながら何度も体勢を変えた。
いや、だから骨じゃないんだよ。その付近の肉。
昨日の朝。
目が覚めたら、右の肩甲骨付近肉が昨日より痛かった。
右腋から右胸の下にかけて、触ると皮膚がざわっとした。熱があるときにみたいに。
気のせいか?気のせいであってほしいな面倒だから、と何度も右腋から右胸の下にかけて触る。
ざわっとする。
(「腋」という漢字は、ワキのイメージを悪くしている気がするんだが、どうだろう。)
在宅勤務開始。
デスクに向かうが、肩甲骨付近肉が痛くて気が散る。
気が散りついでに、右腋から右胸の下にかけてを触る。ざわっとする。
(「腋」と「腋の下」は違うものなのだろうか。)
お昼やすみ。
(略)ざわっとする。
夕食後。
どうせざわっとすんだろ?と思いながら触った。ざわっとする。
温めると治るかもしれないと思い、入浴。
湯に浸かりながら、100キロ超えの女性アイドルグループが、お互いに仕送りをしあう動画を見るなどする。
お湯から上がり、着替える際に触ってみる。ざわっとしない。
おおお、ざわっとしない。
しかし、寝る前である。
チクっ!とするのである。もうざわっというレベルではない。
乳房をやや乱暴に鷲掴みにしてみると、びりびりびり!と、まるで静電気罰ゲームだ。
乳首に至っては、「自分のだからって絶対触っちゃダメだぜ?」ってくらいの衝撃。
一発で取れそうだ。
肩甲骨付近肉の痛さを忘れる勢いである。
「もう死ぬんじゃないかな」と思いながら、なんとか朝方に眠る。
翌日。
まあ、行くよね。病院。
病院に行くためにブラジャーを着けたが、右カップの内側に無数の針が刺さっているような感触だ。
結果。
帯状疱疹。ああ、知ってる。よかった。
全然よくないんだけど、死ぬんじゃないのかと思ってたから、それに比べて随分ラッキーだ。
ツイてる。
帰り道。
ちょっと安心したので(安心していいのか未だにわからないが)肉屋で揚げ物を3つ買う。
お昼ごはん用にイカフライ、エビフライ、そして普段はあまり選ぶことがないメンチカツを晩ごはん用に。
帰宅。
「まずはイカフライだな」と思ったその時、チクチクがズキっ!に変わった。
小さな針で何度も刺す攻撃が、大きな剣で一突き!に変わった。
時々大きな剣で突かれながらも私は、イカフライを食べ、エビフライを食べ、一瞬も迷うことなくメンチカツも食べた。
「晩ごはん用」とは一体。
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